経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。また、当該感染症が内外経済をさらに下振れさせる懸念もあり、景気は依然として先行き不透明な状況で推移しております。 当社が属する出版業界におきましては、紙の出版物の市場は引き続き厳しい傾向にあるものの、一方で電子出版の市場は順調な成長を続けております。出版科学研究所によると、2019年(1月から12月まで)の紙と電子出版を合算した推定販売金額は、前年比0.2%増となる1兆5,432億円となり、その内訳は、紙の出版物については同4.3%減となる1兆2,360億円、電子出版については同23.9%増の3,072億円となっております。 こうした環境の中、インターネット発の出版の先駆者である当社は、「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」、「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションの下、インターネット時代の新しいエンターテインメントを創造することを目的とし、インターネット上で話題となっている小説・漫画等のコンテンツを書籍化する事業に取り組んでまいりました。 当事業年度における書籍のジャンル別の概況は、次のとおりであります。 (ライトノベル) 当事業年度の刊行点数は202点(前事業年度比6点減)となりました。各書籍の売れ行きにつきましては、『異世界ゆるり紀行』、『いずれ最強の錬金術師?』、『素材採取家の異世界旅行記』等の当社投稿サイトから誕生した人気シリーズの続刊が引き続き好調に推移いたしました。また、電子書籍につきましては、親和性の高い女性向け小説を中心に販売数を伸ばし、売上を牽引いたしました。 しかし、当事業年度における刊行点数が前事業年度から減少したこと等により、当事業年度の売上高は前事業年度を僅かばかり下回る着地となりました。 (漫画) 当事業年度の刊行点数は前事業年度を上回る102点(前事業年度比11点増)となりました。シリーズ累計117万部を突破した『月が導く異世界道中』等の人気シリーズが堅調に推移したことに加え、『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』等のライトノベル人気作の新規コミカライズが好調な売れ行きを示しました。また、当ジャンルとの親和性が極めて高い電子書籍につきましては、新刊配信点数が増加したことに比例して販売数も伸長し、さらに人気シリーズの新刊配信月においてはまとめ買い等により当該シリーズの既刊書籍も大きく動いたこと等により、売上は大幅に増加いたしました。 結果、当事業年度の売上高は前事業年度を大きく上回り、過去最高を大幅に更新いたしました。 (文庫) 当事業年度の刊行点数は138点(前事業年度比9点減)となりました。各書籍の売れ行きにつきましては、シリーズ累計110万部を突破した『居酒屋ぼったくり』の文庫版が引き続き好調に推移し、売上を牽引いたしました。また、キャラ文芸大賞の受賞作『晴明さんちの不憫な大家』の第2弾を刊行する等、新たなジャンルの強化を図ってまいりました。 しかしながら、刊行点数の減少を主因として、当事業年度の売上高は前事業年度を下回る結果となりました。 (その他) 当事業年度の刊行点数は24点(前事業年度比1点増)となりました。当ジャンルにおきましては、人気絵本作家・新井洋行氏の新作絵本『赤ちゃんと四季の絵本シリーズ』4冊を刊行する等、引き続き取り扱いジャンルの拡大に向けた活動に注力してまいりました。 しかし、刊行書籍1点あたりの発行部数は前事業年度に及ばず、当事業年度の売上高は前事業年度を下回る金額で着地いたしました。 以上の活動の結果、当事業年度の売上高は5,631,353千円(前事業年度比13.1%増)となり、過去最高を更新いたしました。 一方利益面におきましては、期首に見込んでいなかった本社移転及びポイント引当金による一時費用の計上や採用強化に係る人材投資費用の計画以上の発生、さらに本社移転に係る特別損失の計上が利益を押し下げる要因となったものの、営業利益は1,461,998千円(同7.6%増)、経常利益は1,461,387千円(同7.7%増)、当期純利益は880,089千円(同4.5%増)となり、それぞれ過去最高を更新いたしました。 また、当事業年度末における資産合計は7,614,935千円(前事業年度末比10.7%増)、負債合計は1,466,104千円(同8.9%減)、純資産合計は6,148,830千円(同16.7%増)となりました。 (注)シリーズ累計部数:同作品の続編に加え同作品の漫画及び文庫を含み、部数は電子書籍販売数を含む。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末より332,511千円増加し、4,546,132千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは437,667千円の収入(前事業年度は1,052,884千円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益の計上、未払金及びポイント引当金の増加によるものであります。また、主な減少要因は、売上債権の増