経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営計画の進捗①経営上の目標として掲げた指標の状況 当連結会計年度は、「2018中期経営計画」の最終年度であり、当該計画でめざした収益力向上を達成し、次の成長ステージへの土台を築くことができた。経営上の目標として用いた主な指標と当連結会計年度の実績は次のとおりである。 当連結会計年度(2018年度)実績目標売上収益94,806億円100,000億円調整後営業利益7,549億円8,000億円超調整後営業利益率8.0%8%超EBIT5,139億円8,000億円超EBIT率5.4%8%超親会社株主に帰属する当期利益2,225億円4,000億円超海外売上比率51%55%超ROA3.3%5%超 ②グローバルでの事業拡大 当グループは、各地域で主力事業をより一層成長・拡大させることにより、グローバルでの事業拡大を図っている。当連結会計年度における主な状況は、次のとおりである。鉄道システム事業台湾で都市間特急車両、サウジアラビアでリヤドメトロの運行・保守サービス、イタリアで高速鉄道向け信号・運行管理システムを受注デジタルソリューションインドにおいて現地銀行と合弁会社を設立し、次世代の電子決済サービス基盤を構築 ③事業再編成 当グループは、社会イノベーション事業への経営資源の重点的配分を推進するため、継続的に事業の再編成に取り組んでいる。主な取組みは、次のとおりである。 当社は、2018年10月、保有するクラリオン㈱の株式の全てを、Faurecia S.Aの子会社であるHennape Six SASがクラリオン㈱の普通株式に対して実施する公開買付けに応募する契約を締結し、2019年3月に当該公開買付けへの応募による株式譲渡を実施した。当該株式譲渡により、クラリオン㈱は、当社の子会社ではなくなった。 当社は、2018年12月、ABB Ltd(以下「ABB社」という。)と、ABB社のパワーグリッド事業を当社が買収する契約を締結した。2020年前半をめどに、ABB社から分社されるパワーグリッド事業会社に80.1%の出資を行うことで、同社を連結子会社化し、さらに、新会社発足から4年目以降に、完全子会社とする予定である。 また、当グループは、課題事業への対策として、低収益事業の縮小・撤退及び収益性改善や人員の適正配置等の事業構造改革を継続して推進している。 (2)経営成績の状況の分析①業績の状況 売上収益は、㈱日立国際電気を持分法適用会社としたことによる減収があったものの、欧州向け鉄道システムが好調であった社会・産業システムセグメント、北米やアジア・大洋州を中心に売上が拡大した建設機械セグメント、システムインテグレーション事業が伸張した情報・通信システムセグメント、日立化成㈱及び日立金属㈱が企業買収を行った高機能材料セグメント等が増収となったことから、前年度に比べて1%増加し、9兆4,806億円となった。 売上原価は、前年度に比べて1%増加し、6兆9,646億円となり、売上収益に対する比率は、前年度と同水準の73%となった。売上総利益は、前年度に比べて1%増加し、2兆5,159億円となった。 販売費及び一般管理費は、前年度に比べて1%減少し、1兆7,610億円となり、売上収益に対する比率は、前年度と同水準の19%となった。 調整後営業利益は、高機能材料セグメントやオートモティブシステムセグメント等が減益となったものの、情報・通信システムセグメント、社会・産業システムセグメント、建設機械セグメントが増収及び収益性改善により増益となったこと等により、前年度に比べて403億円増加し、7,549億円となった。 その他の収益は、前年度に比べて1,943億円増加して2,063億円となり、その他の費用は、前年度に比べて3,019億円増加して4,426億円となった。主な内訳は、以下のとおりである。固定資産損益は、前年度に比べて209億円改善し、184億円の利益となった。減損損失は、電力・エネルギー事業における英国原子力発電所建設プロジェクトの凍結に伴う減損損失等により、前年度に比べて2,963億円増加し、3,449億円となった。事業再編等利益は、㈱日立国際電気株式の売却益に加え、オートモティブシステムセグメントにおいてクラリオン㈱株式の売却益や、社会・産業システムセグメントにおいてAgility Trains West (Holding) Limited株式の一部売却に伴う売却益を計上したこと等により、前年度に比べて1,748億円増加し、1,846億円となった。特別退職金は、前年度に比べて66億円増加し、223億円となった。競争法等関連費用は、前年度に比べて125億円減少し、17億円となった。 金融収益(受取利息を除く)は、前年度に比べて66億円増加して136億円となり、金融費用(支払利息を除く)は、前年度に比べて77億円減少して34億円となった。 持分法による投資損益は、海外の持分法適用会社における為替差損や持分法適用会社に係る投資の減損等により、前年度に比べて774億円悪化し、150億円の損失となった。 これらの結果、EBITは、前年度に比べて1,303億円減少し、5,139億円となった。 受取利息は、前年度に比べて81億円増加して231億円となり、支払利息は、前年度と同水準の205億円となった。 継続事業税引前当期利益は、前年度に比べて1,221億円減少し、5,165億円となった。 法人所得税費用は、英国原子力発電所建設プロジェクトの凍結に伴う減損損失の影響等によって継続事業税引前当期利益は減少したものの、当該減損損失については税務上は損金に算入されず、課税所得は増加した