経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、第3四半期までは、政府の各種経済政策を背景に雇用環境の改善等が継続する一方、企業収益は高水準を維持しつつも弱含み、輸出は力強さを欠く動きで、緩やかな回復基調の中で弱さの見られる推移でありました。海外経済については、中国経済の減速もあって一部に弱い動きが見られ、また、米国の保護主義的な通商政策の行方、金融資本市場の変動の影響及び中東の地政学的リスク等による先行き不透明感は継続する一方で、米国は雇用・所得環境等は良好であり、欧州においても個人消費等は底堅く、概ね堅調な推移でありました。しかしながら、第4四半期に入り、国内外の景気は、新型コロナウイルス感染症の突然の世界的大流行の影響により経済活動は足下で急激に減速し、これまでとは一転して厳しい状況となりました。このような状況のもと、当社グループの売上高並びに損益の大半を占めるニッケル事業の主需要先であるステンレス鋼業界は、期中のLMEニッケル価格上昇に伴う原料価格の上昇等もあって収益性重視の体制強化を進めており、また、海外の一部生産者のステンレス製品が市場へ大量流入したことに伴って生産活動の調整が一部に見られ、さらには、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の拡がりによる稼働状況への影響が現出したこともあり、事業環境に不透明感が増した推移となりました。このため、フェロニッケル需要は、堅調であったものの、伸び悩みの状況で推移しました。フェロニッケル製品の主原料であるニッケル鉱石の調達は、主要調達先のフィリピンにおける鉱業環境規制厳格化の方針が継続しており、一部の鉱山操業に影響は見られますが、当連結会計年度における当社の鉱石調達量に概ね影響はありませんでした。ニッケル鉱石の価格に関しては、インドネシア未加工鉱石禁輸政策が一部緩和された影響で比較的落ち着いた水準で推移したものの、期の中盤には、インドネシア政府は、同禁輸政策を2年前倒して再開すると発表したこともあって上昇傾向となり、今後の価格動向に不透明感を残しました。ロンドン金属取引所(LME)におけるニッケル価格は、需給バランスは改善傾向となっており、期の中盤にはインドネシア未加工鉱石禁輸政策の再開に伴う鉱石供給懸念の再燃等もあって上昇傾向となりましたが、一方で、世界的な貿易制限の影響及び依然不安定な原油等商品市況等もあって軟調な動きも見せており、また、第4四半期に入り、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響等もあって急激な下落基調となり、期の平均としては比較的高価格ではあるものの、方向感の定まらない推移となりました。その中で、当社のフェロニッケル販売数量は、前連結会計年度と比べ、国内外向けともに減少し、全体では前年度比10.8%の減少となりました。フェロニッケル製品の販売価格は、当社適用平均為替レートが前年度比1.8%の円高となりましたが、価格形成の指標となる当社適用LMEニッケル価格が前年度比6.7%上昇したため、価格高となりました。このように、依然不透明感のある経営環境のもと、当社グループは、収益基盤をより一層強化させるため、省エネ・低コスト生産等によるトータルコスト削減を推し進め、また、最適生産体制構築のための設備強化及び鉱石の長期安定調達へ向けた取り組み並びに製品の優位性等を活かした機動的な販売体制の構築等に努めております。さらには、これらの取り組みを加速するため組織改編を実施し、海外事業展開の早期実現及びコストミニマムを追求するための業務効率改善策の強化等、業績の底上げ及び収益安定化に向けた取り組みを継続しております。その結果、当連結会計年度の連結経営成績は、連結売上高が44,133百万円、前年度比では、10.0%の減収となりました。損益面では、減収要因に加え、たな卸資産の収益性低下による簿価切り下げ額の計上に伴う売上原価の増加等もあって営業損失1,879百万円(前連結会計年度営業利益176百万円)となりましたが、営業外収益において持分法適用会社6社の持分法による投資利益2,757百万円の計上等もあって経常利益は972百万円、前年度比71.8%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円、前年度比83.1%の減益となりました。 なお、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントはニッケル事業の単一報告セグメントへ変更しており、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であるため、セグメント情報の記載は省略しております。 売上高営業利益又は営業損失(△)経常利益親会社株主に帰属する当期純利益前連結会計年度(百万円)49,0621763,4513,693当連結会計年度(百万円)44,133△1,879972625増減率(%)△10.0─△71.8△83.1 当連結会計年度末における当社グループの資産、負債及び純資産については、次のとおりであります。資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,973百万円減少し、69,960百万円となりました。流動資産では、主な増加要因である次期設備維持更新投資に備えた在庫の積み増し等に伴う商品及び製品の増加に加えて、流動資産その他に含まれる原材料購入に伴う前渡金の増加等はありましたが、同様の理由により支出増となり現金及び預金は減少し、その他の要因も含め前連結会計年度末に比べ1,123百万円の減少となりました。固定資