経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)経営成績の分析当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦をはじめとする通商問題の動向等によって不透明な状況で推移してきました。年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は景気を急速に減退させ、過去に例を見ない全世界での経済活動停滞による景気後退が懸念される状況となっております。わが国においても、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復が見られておりましたが、足もとは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により状況が一変し、大変厳しい状況にあります。臨床検査業界におきましては、引き続く価格下落圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続いたしました。足もとでは新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛要請等の影響により、事業環境はより厳しさを増しております。このような環境のなか、当社グループといたしましてはさらなる成長を遂げるため、既存事業における新規顧客獲得等の事業基盤強化に加え、新規事業の育成を開始するなど経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。また、新型コロナウイルスのPCR検査受託及び検査試薬の開発を開始する等、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者の早期発見・早期治療に貢献する取り組みを推進しました。当連結会計年度は、臨床検査薬事業における日赤事業の契約終了による影響に加え、第4四半期には受託臨床検査事業と臨床検査薬事業において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響があったものの、受託臨床検査事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加、滅菌関連事業における契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと、また、新規育成事業及びその他において2019年2月に買収した株式会社セルメスタの業績が加わったこと等の結果として、売上高は188,712百万円(前期比4.0%増)となりました。営業利益は、主に減価償却費の増加に加え、臨床検査薬事業において日赤事業の契約が終了したことや大口顧客獲得に伴う先行費用が発生したこと等により、9,939百万円(前期比32.1%減)となりました。経常利益は、主に営業利益の減少により6,468百万円(前期比43.9%減)となりました。なお、当社の持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLCに係る持分法による投資損失が減少した一方、当期は中国平安保険グループとの合弁会社設立に係る持分法による投資損失が発生したこと等により、結果として持分法による投資損失は前期と同水準となる3,473百万円となりました。また、当連結会計年度の業績及び今後の業績見通しを総合的に勘案し、当社及び国内完全子会社ならびに欧州子会社の繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、当連結会計年度において繰延税金資産の一部を取り崩すことといたしました。これらの結果といたしまして、親会社株主に帰属する当期純損失は516百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益6,386百万円)となりました。 ① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益及びEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。当連結会計年度の実績は、連結売上高が188,712百万円、連結営業利益が9,939百万円、EBITDAが21,270百万円、ROEが△0.5%、ROICが3.7%となっております。 ② セグメントごとの経営成績セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 イ.受託臨床検査事業売上高では、開業医及び院内事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加により増収となった一方、減価償却費の増加、セールスミックスの変化による限界利益率の悪化、固定費削減施策の発現遅延、中国展開のための費用の発生等により微増益となりました。これらの結果、売上高は117,517百万円(前期比5.8%増)、営業利益は5,234百万円(前期比0.5%増)となりました。 ロ.臨床検査薬事業臨床検査薬事業については、ルミパルス事業において欧州をはじめとした海外での売上が伸長した一方、国内における日赤事業の契約が終了したことに加え、大口顧客獲得に伴う先行費用が発生しました。OEM・原材料事業においては第3四半期累計期間までは堅調に推移したものの、第4四半期において新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が当事業にも及びました。これらの結果、売上高は40,088百万円(前期比11.7%減)、営業利益は6,089百万円(前期比39.3%減)となりました。 ハ.滅菌関連事業売上高では、契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと等によって増収となりました。利益面では、契約価格の見直し等により増益となりました。これらの結果、売上高は22,867百万円(前期比20.6%増)、営業利益は1,786百万円(前期比84.6%増)となりました。