経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、長期化する米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題など、海外政治情勢の不安定化が継続していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う東京オリンピック・パラリンピックの開催延期等による内外経済の減速懸念など、依然として先行きは不透明な状況が継続しており、今後の推移を注視していく必要があります。 当社を取り巻く国内ITサービス市場においては、IoT(注1)、AI(注2)などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が一層その存在感を強めております。柔軟性と変化対応のスピードが要求される新しいビジネス領域は、パブリッククラウドに支えられた新たなデジタル技術を前提として拡大しており、当該市場は今後も堅調な成長が見込まれます。パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注3)」)の全世界売上高(2019年12月期)は前年比+36%の350億ドルに到達し、依然高い成長率を維持しながら順調に市場を拡大しています。 このような状況の中、当社は、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は6,811,373千円(前期比52.1%増)となりました。営業利益は417,570千円(同24.4%増)となり、経常利益は421,214千円(同25.5%増)となりました。投資有価証券の売却により特別利益37,943千円を計上した結果、当期純利益は333,381千円(同6.5%減)となりました。なお、2019年2月期においては関係会社株式の売却により207,053千円の特別利益を計上しております。 なお、当社の事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。 (クラウドインテグレーション) クラウドインテグレーションは、既存顧客からの追加案件の受注及び大型案件の受注に加え新規顧客の獲得もあったものの、大型の既存顧客対応のためにエンジニアリソースをMSP(注4)サービスへ振り分けたこともあり、やや伸びが鈍化して推移しました。以上の結果、売上高は577,426千円(前期比5.4%減)となりました。 (リセール) リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加に加え、新規顧客の獲得もあって好調に推移しました。また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も好調に推移しました。以上の結果、売上高は5,390,089千円(同66.9%増)となりました。 (MSP(注4)) MSPは、既存顧客からの継続的な受注及び大型案件の受注増に加え、新規顧客の獲得もあって契約数が順調に増加しました。また、SRE(注5)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供を、MSPの役割として担うことが増えてきており、当社でも体制を整えてまいりました。以上の結果、売上高は784,134千円(同35.3%増)となりました。 (その他) その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は59,723千円(同4.1%増)となりました。 〔用語解説〕(注1) IoT: 「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。(注2) AI: 「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。(注3) AWS: 「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。(注4) MSP:「Managed Services Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。(注5) SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ818,966千円増加し、1,579,231千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と