経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況)(1) 当期の経営成績の状況当期の世界経済は、期初から米中通商問題の影響等により製造業全般の景況感が停滞し、さらに2020年に入って、新型コロナウイルス感染拡大の影響が中国から欧州・米国・日本を含むアジア各地に波及し、グローバルでの経済活動に大きくブレーキがかかりました。日本経済は、消費税増税後の個人消費の落ち込み、大型台風の影響による生産活動の停滞、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響による訪日客減少などにより、製造業・非製造業とも景況感は急激に悪化しています。 当社グループを取り巻く経営環境は、半導体分野において2019年の市場成長率は2001年のITバブル崩壊後以来のマイナス成長でしたが、当期後半から5G通信向けの本格化により、中国市場を中心に市況の大幅な回復がみられました。自動車分野においては、世界最大の市場である中国での新車販売台数は、秋季以降比較的堅調に推移してきましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、生産・販売台数ともに前年度比で大幅なマイナスとなりました。米国・欧州においても同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、新車販売台数は年度末に急落し、前年度実績を下回りました。国内の新車販売台数は、消費税増税の影響を受け、前年を下回りました。また、国内の新規住宅着工件数は、国土交通省の発表によりますと、2019年度累計で前年度比7.3%減となり、大きく悪化しました。当社グループは、このような経営環境の中、CS(Customer Satisfaction、顧客満足)向上を最優先に、機能性化学分野での「ニッチ&トップシェア」の実現とともに、事業規模の拡大を図ることを基本方針に掲げて事業運営に取り組んでおります。この結果、当期の売上収益は、期初からの製造業全般にわたる景況感の低迷影響に加え、円高ドル安ユーロ安による為替の影響、2月以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響等を受け、前期比で3.0%減少し2,066億20百万円と、63億32百万円の減収となりました。損益につきましては、自動車向けを中心とする高機能プラスチック関連製品の販売不振、半導体関連材料での原料価格上昇、航空機用途向け製品の販売環境悪化に伴う構造改革費用の増加等が響き、事業利益は、前期比17.0%減少し143億46百万円となり、営業利益は、前期比24.3%減少し102億85百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比で40.4%減の89億86百万円となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は、売上収益においては約17億円の減収(半導体関連材料で約7億円、高機能プラスチックで約7億円、クオリティオブライフ関連製品で約3億円)、また事業利益は約7億円の減益でありました。当社としましては、現今の新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済環境悪化が長期化する可能性を踏まえ、全社を挙げて、サプライチェーン動向の情報収集活動強化、生産供給体制の見直しを含めたコストダウン活動、新製品開発の早期上市、新規顧客・用途開拓活動の推進により、収益水準の維持・強化を進めているところであります。 (セグメント別販売状況)① 半導体関連材料[売上収益 49,824百万円(前期比 2.0%増)、事業利益 7,684百万円(同 3.9%減)] 2018年後半より半導体市況の世界的な低迷が続いていましたが、当社が以前から注力してきた車載用のモーター用途やECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)一括封止用途の実績化に加え、中国市場での5G通信用途向けでの需要増により回復がみられ、主力製品である半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、秋季以降販売が増加傾向に転じて通期では増収となりました。感光性ウェハーコート用液状樹脂も年度前半の好調を受け、通期では増収となりました。一方、半導体用ダイボンディングペーストは年度前半の不調を後半の拡販でカバーできず通期では前期を若干下回りました。また、半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、スマートフォンの新機種採用増に加え、パワーアンプ内蔵基板用途やNANDメモリー用途で拡販し、売上収益を増加させました。損益につきましては、一部原材料の調達価格高騰による製造コストの上昇により前期比で収益率が悪化しました。 ② 高機能プラスチック[売上収益 84,882百万円(前期比 9.5%減)、事業利益 4,065百万円(同 39.0%減)] 期初から全世界的な自動車市場の低迷、米中貿易摩擦による中国からの米国向け電機製品の輸出減、原油安による米国子会社のシェールガス・オイル向けの販売不振が続いていましたが、これに加えて2020年に入ってからの新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、中国での自動車生産・販売台数が急落したことで、工業用フェノール樹脂、フェノール樹脂成形材料および銅張積層板は売上収益が減少しました。また、長期的な原油安に伴う原料価格の低下により、工業用フェノール樹脂の市場価格は低下しており、売上収益の減少要因となっています。航空機内装部品は、主要顧客である米国航空機メーカーにおいて一部生産停止が発表されたことを受け、売上収益が大幅に減少しました。一方、自動車用成形品は、環境規制関連用途において、中国国内での大口顧客の獲得により今期から大きく売上収益を伸ばしています。 ③ クオリティオブライフ関連製品[売上収益 71,207百万円(前期比 2.4%増)、事業利益 5,567百万円(同 2.7%増)] 医療機器製品は、血管内治療や内視鏡治療の分野で高付加価値用途の強化を進め