経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来における事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。 (1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。連結財務諸表の作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載している。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を与える見積りが必要となる。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に係る仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載している。 (2) 経営成績の概要及び分析当社グループは2017年度から、2019年度までの3ヵ年を期間とする中期経営課題“プロジェクト AP-G 2019”に取り組み、「成長分野での事業拡大」、「成長国・地域での事業拡大」、「競争力強化」を要とした成長戦略を実行した。一方で、米中貿易摩擦による中国経済の低迷や自動車・スマートフォン関連の需要鈍化等により、生産・販売数量が大きく影響を受けた。また、第4四半期には、新型コロナウイルスの感染拡大により生産活動や消費行動が停滞し、世界経済は急減速した。 (業績指標)(単位:億円) 2017年度実績2018年度実績2019年度実績 “プロジェクト AP-G 2019”2019年度目標売上高22,049 23,888 22,146 27,000 営業利益1,565 1,415 1,312 2,500 営業利益率7.1% 5.9% 5.9% 9% ROA6.3% 5.3% 4.8% 約9% ROE9.1% 7.1% 5.0% 約12% 当連結会計年度の売上高は、炭素繊維複合材料事業を除くすべてのセグメントで減収となり、前連結会計年度比1,742億円(7.3%)減収の2兆2,146億円となった。営業利益は、繊維事業、機能化成品事業を中心に減益となり、前連結会計年度比103億円(7.3%)減益の1,312億円となった。営業利益の前連結会計年度比増減要因を分析すると、原料価格下落による増益288億円があった一方で、生産・販売数量の減少や費用の増加などによる減益△390億円があり、差し引き103億円の減益となった。営業外損益は、持分法による投資損失を計上したことなどにより、前連結会計年度比209億円の減益となり、経常利益は同312億円(23.2%)減益の1,034億円となった。特別利益は有形固定資産売却益が減少したことを主因に前連結会計年度比147億円減の77億円、特別損失は減損損失が減少したことを主因に同124億円減の170億円となり、税金等調整前当期純利益は同334億円(26.2%)減益の940億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比236億円(29.8%)減益の557億円となった。自己資本利益率は、5.0%と前連結会計年度比2.1ポイント悪化した。 当連結会計年度のセグメント別の経営成績は、次のとおりである。 (繊維事業)米中貿易摩擦の長期化と中国経済の減速、及び2年続いた暖冬により各用途で市況低迷の影響を受けた。国内では、衣料及び産業用途ともに総じて荷動きが低調に推移する中、国内ユニフォーム用途や欧米スポーツ用途等で拡販を進めるとともに、事業体質強化に注力した。海外では、縫製品やテキスタイルなどの衣料用途のほか、産業用途も主力の自動車関連用途の需要が低調に推移する中、事業構造改革、事業体質強化に注力した。また、国内外ともに新型コロナウイルスによる生産活動・消費行動停滞の影響を受けた。以上の結果、繊維事業全体では、売上高は前連結会計年度比9.4%減の8,831億円、営業利益は同16.7%減の607億円となった。主要な製品の生産規模は、ナイロン糸が前連結会計年度比5.5%減の約442億円(販売価格ベース)、ポリエステル糸が同11.5%減の約529億円(販売価格ベース)、ポリエステルステープルが同17.1%減の約522億円(販売価格ベース)となった。 (機能化成品事業)樹脂事業は、中国経済の減速及び新型コロナウイルスによる生産活動停滞の影響を主因に自動車・家電用途とも低調に推移した。ケミカル事業は、基礎原料の市況下落の影響を受けた。フィルム事業は、リチウムイオン二次電池向けバッテリーセパレータフィルムが需要の伸長を背景に売上を拡大したが、ポリエステルフィルムでは光学用途や電子部品関連において在庫調整の影響を受けた。電子情報材料事業は、有機EL関連部材や回路材料が好調に推移した。以上の結果、機能化成品事業全体では、売上高は前連結会計年度比11.3%減の7,708億円、営業利益は同13.2%減の587億円となった。主要な製品の生産規模は、ABS樹脂が前連結会計年度比18.2%減の約850億円(販売価格ベース)、ナイロン樹脂とPBT樹脂が同5.5%減の約263億円(販売価格ベース)、ポリエステルフィルムが同16.6%減の約1,083億円(販売価格ベース)となった。 (炭素繊維複合材料事業)航空機向け