経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は世界経済の減速により輸出が低迷し景気の下振れが懸念されたものの、堅調な内需に支えられ総じて底堅く推移しましたが、年度後半は消費税率引き上げで内需が落ち込む中、2020年に入り新型コロナウイルス問題が顕在化し、年度末にかけて景気は急速に悪化しました。このような環境の中で、当社グループは次のような活動を行いました。 CRO※1事業においては、中核子会社である株式会社新薬リサーチセンターと株式会社安評センターとの顧客網の共有化と一体的な営業を進め、既存顧客との取引の強化と新規顧客の開拓に注力いたしました。また、設備面では、株式会社安評センターの大型動物飼育管理施設の修繕・整備を推進し、従来の中・小型動物に加え大型動物の非臨床試験の新規受注獲得体制を整備いたしました。さらに、株式会社ボナックとは、非臨床試験の受託拡大を目的として、同社が研究開発している核酸医薬品パイプラインの拡充及び実用化のために、当社グループの研究施設・実験機器、研究員の活用を提供する包括的な業務提携を行いました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、非臨床試験受託用の動物輸入が来期以降に延期となり非臨床試験が計画通り進まなかったこと、中国の提携ラボで実施している受託試験が2020年2月以降計画通り実施できず当初完了予定の3月から大幅に遅延することとなったこと、また、国内で実施している一部の当期完了予定であった臨床試験が3月以降延期となり期末までに完了できなくなったことなどから、新型コロナウイルス問題の顕在化以降に売上及び受注が伸び悩みました。その結果、当連結会計年度のCRO事業の売上高は1,941,916千円(前年同期比13.2%減)に留まり、当連結会計年度におけるCRO事業の受注高も1,927,231千円(前期比4.6%減)に留まりました。 診断解析事業においては、一層の品質向上及び事業効率化に取り組むとともに、コンパニオン診断※2システムを用いた検査サービス体制を整えるなど、遺伝子解析技術及び豊富な病理診断技術を活かしたサービスの拡充に取り組みました。また、子宮頸がんの早期発見に貢献すべく、子宮頸がんリスク検査である自己採取HPV※3検査の有用性の啓蒙活動及び営業活動に注力するとともに子宮頸がん検診の普及に取り組む地方自治体との検査委受託契約締結を推進いたしました。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社会的要請に応えるべく株式会社ジェネティックラボにおいて必要な体制を整え、2020年3月に新型コロナウイルス検査(PCR検査)の受託を開始いたしました。 TGBS事業においては、Eコマース事業において売れ筋商品の仕入れに努めるとともに、消費税率引上げ後に予想された売上減少の影響を抑えるべく、プラットフォーム(大手通販サイト)経由の販路拡大に注力し、粗利の確保に努めました。また、2020年3月に、洋食器の輸入と通販サイトでの小売販売や卸売を行うギャラックス貿易株式会社を連結子会社化し、収益基盤の底上げを図りました。TGBS事業のうち「その他」事業では、事業承継コンサルティング業務の取り組みを強化いたしました。また、2019年4月に、複層ガラス用副資材やガラス加工設備等の輸入販売を展開する株式会社TGMを連結子会社化いたしました。そして、株式会社TGMにおいては、設備投資需要の取り込みを強化し、主力商品であるガラス加工設備の受注獲得に注力いたしました。これらの結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、CRO事業の売上がコロナウイルス問題の顕在化で失速したものの、当連結会計年度より連結グループに加入した株式会社TGMの売上が寄与し、11,046,678千円(前期比27.3%増)と前年同期比で大幅な増収となりました。しかし、営業利益につきましては、株式会社TGMをはじめTGBS事業の利益が大きく寄与した一方で、上記のとおりコロナウイルス問題でCRO事業の売上が失速し、株式会社安評センターで受注獲得体制を早期に強化するため、より一層前倒しで進めてきた設備及び人材に対する投資に係る固定費の回収が進まず、173,771千円の黒字(前期比35.7%減)に留まり、経常利益につきましても同様に、94,948千円の黒字(前期比63.0%減)に留まりました。なお、当社及びグループ会社の保有するCRO事業の一部の設備及びのれんの減損損失209,761千円を計上したほか、提携関係にある取引先への貸付金等に対する貸倒引当金繰入額111,072千円などの特別損失344,607千円を計上いたしました。また、「法人税、住民税及び事業税」も78,383千円となり、さらに、直近の業績動向等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性を慎重に考慮した結果、繰延税金資産112,663千円を取崩しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は440,715千円(前期は202,219千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 ※1 CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)※2 コンパニオン診断:分子標的薬が、投薬対象者に有効かどうかを投与前に予測するために、標的分子の発現量や関連遺伝子変異、遺伝子多型などのバイオマーカーを検査し診断すること ※3 HPV:Human papillomavirus(ヒトパピローマウイルス) セグメントの経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含