3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。(1) 経営成績当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、雇用環境の改善や設備投資の持ち直しを背景に緩やかな回復基調にありました。しかし、米中の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題等に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響により先行き不透明な状況が続いています。当社の属する情報サービス業界においては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査2020年2月分確報」の情報サービス業の項の中から、当社が主に属するソフトウェア開発・プログラム作成(システムインテグレーション)とシステム等管理運営受託を合算した業務種類別売上によると、2019年4月~2020年2月は前年同期比3.8%の増加となり緩やかな伸びを示しました。 こうした環境下で当社の顧客企業が属する業界においては、第四次産業革命とも言われる「デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)」の動きが加速しています。それは、IoT、モバイル、ソーシャル技術、クラウド、AI、ビッグデータ分析を構成要素とするテクノロジープラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを生み出し、ネットとリアルの両面でカスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience)の変革を図り、価値を創出し、競争上の優位性を確立するという動きです。その将来へ向けたDX動向を産業別に俯瞰します。 ① エレクトロニクス業界・IoT、AI等のデジタル技術を活用した生産工程や流通工程のデジタル化により、生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させ、スマートファクトリー、デジタルツインを実現し、インダストリー4.0へ進化。・製造装置からビッグデータを収集し、AI(機械学習、深層学習)によるデータ分析を活用し、歩留解析、欠陥解析を改善。・製品にIoT機能を備えることにより、「モノづくり」から「コトづくり」へ変革。 ② 金融業界・収益環境の急激な悪化とフィンテック企業との競合を受けて、収益源の新規サービス開拓やサービスの高度化、店舗ネットワークの見直し等の業務効率の改善が進められており、特に、スマホ決済、キャッシュレス化等の手軽で便利なサービスが進行。・その際にテクノロジーとして、クラウド、AI、RPA、オープンAPI、ブロックチェーン等を活用。 ③ エンタテインメント業界・ユーザーとクリエイターやアーティストを繋ぎ感動をもたらすプラットフォームの提供。・5Gモバイル、SNS、クラウドのサイバーとイベント等のリアルの顧客接点が融合。・クラウド、AI、VR、AR、ブロックチェーン等のデジタルテクノロジーの活用。 ④ エネルギー業界・「5つのD」と言われる、人口減少・過疎化(Depopulation)、脱炭素化(Decarbonization)、分散化(Decentralization)、自由化(Deregulation)、デジタル化・IoT(Digitalization)というメガトレンドを受け、より安全・安定・安価で潤沢なエネルギーを提供するUtility3.0へ進化。 ⑤ 自動車業界・CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と言われる動向により、100年に一度の変革期。・自動車の製造販売から、移動サービスのプラットフォームへと変革。・MaaS(Mobility as a Service)コンソーシアムの拡大。 ⑥ ヘルスケア業界・人生100年時代と言われる高齢・健康長寿社会へ。そして治療から健康増進と予防へ。・日常の医療・健康・生活データをIoT計測機器によりリアルタイムに収集し、デジタル画像等のビッグデータ解析による疾患早期発見へ。・個人のゲノム解析等、標準治療から個人毎に最適化した的確医療へと進化。 当社は、こうした環境の変化を新たな成長のチャンスと捉え、経営理念である「技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する」に則り、ビジョンとして、「お客様とともにITの価値を高める信頼のパートナー」を掲げ、以下の4つの重点施策に取り組みました。 ① 事業構造の変革より付加価値の高いサービスを提供すべく、事業構造を変革しています。基本的な考え方として、成果型かつストック型のクラウドソリューションを拡大しています。 1) アプリケーションソリューションの拡大ERP、SCM、CRM、RPA、IoT、ビッグデータ分析、AI等のプラットフォームをベースとして、顧客体験をモデル化した業務テンプレートを活用したソリューションに取り組んでいます。当期は特に製造工程のシステム運用プラットフォーム、製造業のグローバルサプライチェーンシステムの各国共通のERP業務テンプレート、金融業務におけるRPAによる省力化テンプレート、デジタルワークプレースの業務テンプレートに関連した事業が拡大しました。 2) インフラソリューションの拡大顧客のデータセンターと複数のパブリッククラウドに跨る運用サービスを顧客視点で一括して提供するマルチクラウド統合運用サービスを増強しています。また、シリコンバレーのセキュリティプロダクトと顧客体験をモデル化した当社のサービスを組み合わせ