May 1, 2024
決算説明会要旨と質疑応答 PDF (317 KB)
Our analyst
Read of this earnings call — headline is the investment verdict. Research synthesis, not investment advice.
LIFULLの国内HOME'Sは売上+1.2%、アプリ経由問い合わせ+14%、指名検索+7%と堅調だが、海外事業の遅延で通期予想を下方修正し、上期営業利益は9.7億円(前年同期比-43.2%)。海外DXエージェントの回復は6月以降に売上化する見込みだが、アグリゲーション事業ではオーガニック流入が-33%となり、新商品の効果が減少を上回るか経営陣自身も未確認で、現時点では明確な再成長を確認できないためホールド。
- Lifull Homes
- Overseas Business Restructuring
- Lifull Connect
- Dx Agent
- Organic Traffic Decline
- Aggregation Site
- Moving To Direct
- Real Estate Dx
Near term
- 6月以降、増加した海外DXエージェント数が受注・成約・売上に転化するかが最大の確認ポイント。
- 海外アグリゲーション事業で新商品の売上がオーガニック流入減少を補えるかを確認。
- HOME'Sの広告投資継続による問い合わせ・成約数の伸長と、利益率への影響。
Longer term
- HOME'Sでアプリ、AIレコメンド、成約率改善、不動産会社向けDX支援を通じて送客価値を高め、顧客の再投資を引き出せるか。
- 海外事業の『Moving to Direct』戦略が、ポータル掲載課金から実取引に近い高単価領域への移行として定着するか。
- 検索エンジン依存を含むアグリゲーション事業の構造的なトラフィック低下に対し、新商品・有料流入で持続的に補完できるか。
Red flags
- 海外事業の通期予想下方修正は、採用・広告投資の抑制も伴っており、再成長投資と短期損益の両立が難しい。
- オーガニックトラフィックは前年同期比33%減。新商品の効果が上回るという予想はあるものの、経営陣は現時点で検証できていないと回答。
- LIFULL SPACE売却益9.1億円など一時要因が利益を支えており、上期営業利益の大幅減少から基礎収益力の改善は確認できない。
- 海外DXエージェントの回復は過去半年の相関に基づく見通しだが、成約・売上への転化はまだ数カ月先で、実績による裏付けが不足している。
株式会社LIFULL (2120)
2024年9月期 第2四半期決算説明会[会場とオンラインのハイブリッド方式で開催] 要旨・質疑応答
日時・場所: 2024年5月15日(水) 午前11:00~11:37
当社登壇者/会場: 代表取締役社長執行役員 伊東 祐司(LIFULL HOME’S事業本部長)
代表取締役会長 井上 高志
執行役員 福澤 秀一(グループ経営推進本部長)
当社参加者/オンライン:取締役 宍戸 潔
取締役執行役員 山田 貴士(グループデータ本部長)
執行役員 羽田 幸広(人事本部長)
執行役員 川嵜 鋼平(クリエイティブ本部長)
執行役員 長沢 翼(テクノロジー本部長)
登壇者:伊東
■本日のポイント
1. LIFULL HOME'Sは順調に進捗
2. LIFULL SPACE売却益9.1億円を計上
3. 海外事業の予算乖離を受け業績予想を下方修正
■2024年9月期第2四半期の決算ダイジェスト
[連結業績] 連結売上収益は173億円(前年同期比▲9.4%、以下同)。前期には地域創生ファンドの売却案
件による一時的な売上21億円があったため、これを除いて比較した場合には3億円の増収。
営業利益は9.7億円(▲43.2%)。前期の一時要因としては楽天LIFULL STAYの売却益(6.6億円)や地
域創生ファンド案件の売却益(4.5億円)があった。一方、今期は海外事業の体制変更にかかる費用(2.3億
円)やLIFULL SPACE売却益(9.1億円)が発生した他、成長投資や一部事業の計画に対する遅れがある。
[HOME’S関連事業] 計画通りに進捗しておりセグメント売上は+1.2%。セグメント利益は、広告宣伝費
等の積極的な投資により▲17.8%となった。
[海外事業] 前期に M&A した 2 社を連結した影響により+5.1%だったが、通期の業績予想に対しては遅
れが生じている。また、事業立直しのためマネジメント体制を変更したことで一時的な費用の増加があり、
セグメント利益は▲5億円となった。
■海外事業立直しの取組みについて
海外事業では、説明資料P12に記載の「Moving to Direct」戦略を実行しており、各地域の特性に合わせ
たサービスを提供しつつ、より単価の高い実取引に近い領域にシフトしていくことで成長を拡大していく
という全体戦略に変更は無い。
ポータルサイトについては計画通り伸長しており、今後も引き続き不動産事業者数とARPA(一顧客当た
り売上高)の拡大により売上を成長させていく。
DXエージェントでは、第1四半期中にエージェント数が計画より下振れしたことで申込や成約の件数に
影響し、予算との乖離が発生した。足元では、先行指標となるエージェント人数や問合せ件数、掲載物件数
が順調に成長してきており、3月には成約数が過去最高レベルとなった。今後も、エージェント数の増員と
育成をさらに強化していく。
アグリゲーションサイトでは、自然流入の減少を背景に売上減という現況に対し、対策チームを組んで各
種施策を実施している。新商品の拡販や、サイトの価値を高めコンバージョン率やトラフィックを向上さ
せる施策を打ち出しており、足元ではコンバージョン率や平均クリック単価に改善傾向が見られる。
海外事業の経営体制の変化に伴い、従業員のエンゲージメントを高める取組みを実施していく。この取
組みにより、事業規模の成長を目指すサイクルづくりを図る。具体的には、足元では、職場環境の改善や
チームビルディングの強化、中核人材へのインセンティブプラン見直し等に取り組んでいる。
海外事業立直しのプロセスの全体像はP17に記載のとおり。昨年12月に経営体制を変更し、管掌役員
の宍戸を中心にこの1~3月の3ヶ月で課題と対策について洗い出しを行い、4月からは実行していくフ
ェーズに入っている。ここからしっかり事業の回復、再成長へと繋げていきたい。
■HOME'S関連事業について
LIFULL HOME’Sが目指す姿は、本質的な価値である成約につながる送客の最大化。そのためにはP19
に記載のとおり、反響の母数を増やしつつ、成約率を向上する施策を出し、クライアントである不動産会
社にしっかり価値貢献していき、HOME’Sに再投資していただくという流れを作っていきたい。
送客・反響の拡大に向け、UI/UXの磨き上げを徹底しており、足元ではAIを活用したレコメンドの最
適化等が反響拡大に寄与している。また、アプリの強化を継続しており、iOS用・Android用の累計ダウ
ンロード数はついに 750 万件を超え、ユーザーからの評価も高く、アプリ経由の問合せは前年比+14%
と好調に推移している。
また、今期はプロモーションへの投資を強化し、指名検索数は前年比+7%と効果が出てきており、こ
の勢いを下半期に繋げ、成長を拡大していきたい。
本質的な価値である成約数の拡大、成約確度向上の取組みも進んでいる。例として、1つ目は、募集終
了物件を自動で非掲載にする仕組みで特許を取得したこと。メディアとしての信頼性を高めることで送
客数や成約率の向上を実現していきたい。2つ目は、「LIFULL HOME'S住まいの窓口」の強化。窓口数
は全国60以上となっており、サイトからの導線強化を行ったことで、相談数から売上の各指標で前期を
上回る成長を続けている。3つ目は、不動産事業者へのDX支援。大手の顧客を中心に「不動産DXパー
トナーシップ協定」を締結し、サービスの共同開発などを開始している。不動産業界のDXカンパニーと
言えばLIFULLと業界認知を上げていきたい。
不動産投資、収益物件の情報サイト「健美家」も成長速度が上がっている。2020年7月に子会社化、
昨年にはLIFULLが持つ不動産投資メディア「LIFULL HOME'S不動産投資」とのシステム統合が完了
し、拡販フェーズに入っていた。営業活動の成果により、掲載物件数はこの 1 年で約 30%と大きく増加
しており、引続きこの勢いで不動産投資情報サイトNo.1を目指して成長を加速させていきたい。
■国内のその他トピックス
LIFULLはソーシャル・エンタープライズ(社会課題解決型企業)として、事業を通じた様々な取組み
を行っている。
当第2四半期には、LIFULL HOME'S では、令和6年能登半島地震に伴う被災者の方に向けた住まい
に関する支援情報の提供の継続や、2024 年4月から開始された建築物の省エネ性能表⽰制度に対応し、
省エネ性能ラベルの表⽰をいち早く開始している。
また、2024年1月に、肥料化触媒の普及によって持続可能な農業を目指す子会社「LIFULL Agri Loop
(ライフル アグリループ)」を新設し、多くの引き合いを頂いている。2024年3月から伊東忠テクノソ
リューションズとの協業も開始し、順調なスタートを切っている。
昨年末に私が代表取締役社長に就任し、執行体制をより強化すべく、4月よりCLO(Chief Legal Officer)
はじめ、事業CEO等のポジションを新設した。若手や女性を含め多様な人材を抜擢しており、ここから第
2創業期としてしっかりとチームで事業成長を加速させていくので、ぜひご期待いただきたい。
◆◆◆ 質疑応答 ◆◆◆
※正確性を期すため加筆・修正しております。当日の模様はコーポレートサイトに掲載しております動画をご覧ください。
Q1)今期は広告宣伝を強化しているとの話があった一方で、売上収益を下方修正し、販管費の人件費・
広告宣伝費も下げている。どのような理由からか。
A1:福澤)今回の修正は、海外の子会社LIFULL CONNECTについてのもので、それ以外は期初予想
を据え置いている。LIFULL CONNECTは売上を上げるためにリスティング広告を出稿しているため、売
上を下方修正すると、広告出稿も抑制され、広告宣伝費が下がる。人件費についても、売上計画の見直しに
併せて採用計画も見直しており、それを反映している。
Q2)海外事業の予想との乖離について。P14で3月エージェント数は過去最高水準とあるが、1Qに比
べ2Qはかなり回復しているということか。また新商品の販売は、対策としてスケジュールを前倒すことは
あるか。
A2:宍戸)DX エージェントでは、3 月のエージェント数が過去最高水準になったということで、これ
から物件の受注増加が予想される。受注されてから成約に至るまでは何か月かタイムラグがあるので、売上
に反映されるのは6月以降になる。この半年間くらいの調査の中で、エージェント数の増加によって成約数
が増えて、それがその数カ月後に売上に繋がるという関連性は確認できており、ある程度確かな読みはでき
ていると思う。
アグリゲーションの新方針については、自然流入の減少というトレンドがあるため、それを補うべく今ま
で販売してこなかった新商品を開拓して取り組んでいる。こちらも結果が出てくるのは 6 月以降と見てい
る。オーガニックトラフィックの減少をどこまで新商品で補えるかという確認はまだできておらず、6月く
らいの時点で両方合わせてプラスに転じるのか、オーガニックトラフィックの減少が上回るのか、新商品の
売上が上回るのか、現時点では確かなことは言えないが、我々としては、新商品による売上の増加が上回る
という予想で数字を出している。
Q3)P15でオーガニックトラフィックの減少が前期比▲33%とあるが、半年前に期初予想を出された時
には増えていく前提だったのか、そもそも減るとみていたのか。
A3:宍戸)期初予想を立てた時点では読み切れなかった部分はあるが、過去から毎年少しずつ下がって
きているトレンドであり、多少の減少を見込んでいた。さらに、欧州のGoogleに対する規制強化などの政
治的な要因も加わり、現状は見込みを上回った減少に至っている。
以 上