経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 · MD&A
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを、従来の「電子書籍流通事業」、「メディア・プロモーション事業」及び「その他事業」の3つのセグメントから、「電子書籍流通事業」及び「その他事業」の2つのセグメントに変更しております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。電子出版市場を拡大するべく、効率的な取次事業運営とブロックチェーン等の先端技術を活用した新たなプラットフォーム創出を目的とした「電子書籍流通事業」と、出版業界の活性化のための投資領域であるメディア事業や周辺事業を「その他事業」へと事業区分を見直すことで、今後の各事業の目的を明確にすることを狙いとしております。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による各種経済政策を背景に、引き続き緩やかな回復基調となる一方で、年度後半には消費税増税により消費行動の一部に減退感が強まりました。また、米中貿易摩擦等、不安定な国際情勢の継続による成長率の鈍化に加えて、第4四半期以降には新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、世界経済の先行きはこれまでよりも一層、不透明な状況にあります。 当社グループの主力事業領域である電子書籍市場においては、引き続き、スマートフォンなど電子デバイス保有者の増加、コンテンツ提供形式の多様化、電子書店や出版社によるキャンペーンやプロモーションの拡大、ユーザーの電子書籍利用定着によって、一層の市場拡大が実現しました。 今後も紙の本から電子書籍への転換、ユーザーの認知度向上や電子書籍の利便性向上にともない、電子書籍市場は拡大の継続が見込まれております。2018年度における電子書籍市場規模は2,826億円となり、前年度の2,241億円から585億円増加いたしました。また、電子雑誌市場は296億円、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は3,122億円と推計されております。今後も堅調に拡大し、2023年度の国内電子書籍市場は2018年度の1.5倍となる4,330億円、電子雑誌市場280億円を合わせた電子出版市場は4,610億円になると予想されております。(出所:「電子書籍ビジネス調査報告書2019」インプレス総合研究所) このような状況の下、当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。 a)経営成績 当連結会計年度における当社グループの電子書籍の流通総額は1,200億円と、前連結会計年度の950億円に対し、250億円(26.3%)の増加となりました。紙の書籍から電子書籍への移行が進展し、紙と電子書籍の合計に占める電子書籍の割合は、2018年の16.1%から2019年の19.9%へと3.8ポイント増加、特にマンガにおいては2018年の55.8%から2019年は60.9%へ5.1ポイント増加しており、電子マンガの普及が一層進みました。国内の電子書籍においては、マンガが8割を占めておりますが、今後は文字もの(小説や教養書など)の電子化も進展するものと考えられます。米国や中国は出版市場の3~4割を電子書籍が占めている一方で、日本で文字もの書籍に占める電子書籍の割合は未だ5.1%であり、潜在市場はまだ大きいと考えられます。(出所:出版科学研究所) 当連結会計年度においては、紙の書籍から電子書籍への移行に加え、大手海賊版サイトが2018年4月に閉鎖したことにより影響を受けていた取引先の売上が回復したことに加え、スマートフォンなど電子デバイス保有者の増加、コンテンツ提供形式の多様化、電子書店や出版社によるキャンペーンやプロモーションの拡大、ユーザーの電子書籍利用定着によって、一層の市場拡大が実現いたしました。 上記によって連結売上高が増加した一方で、当連結会計年度は更なる事業拡大に向けた先行投資を実施いたしました。具体的な各事業セグメントにおける投資及び費用増加の内容は下記の通りです。 ・電子書籍流通事業「LEGACYを作る」…2つに分かれていた電子書籍取次システムを1つに統合。さらに、シェア拡大に向けて統合後のシステムの追加開発を実施。また、自社電子書店「コミなび」の事業拡大に向けた広告宣伝費を計上。「LEGACYを創りに行く」…ブロックチェーン技術を活用した新たな流通プラットフォーム構築のための開発を実施。・その他事業本の要約サービスflierの会員獲得のための広告宣伝費計上、MyAnimeListの広告売上獲得に向けた体制整備、インプリント事業の事業拡大に向けた体制整備等を実施。 以上の結果、当連結会計年度の業績については、次のとおりです。 売上高 65,860百万円(前年同期比30.2%増) 営業利益 1,853百万円(前年同期比26.2%増) 経常利益 1,761百万円(前年同期比18.0%増) 親会社株主に帰属する当期純利益 884百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,243百万円) EBITDA 2,659百万円(前年同期比11.4%増) 1株当たり当期純利益 64.58円(前年同期は